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AIと人との違いを考えた!?

人材育成の視点 58 CCM(コンタクトセンターマネジメント)2020年6月号コラム

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プロフィール

クウォーターワン
代表取締役 窪田尚子
メンタルセラピスト(国際メンタルセラピスト協会認定)

教育コンサルタントとして、コンタクトセンターや顧客サービスの現場を中心に、企業や自治体の人材育成に携わっている。2004年に「きくスキル研究会」を立ち上げ、2015年まで活動。現在は研究会での成果をさらに深めたトレーニングや顧客に寄り添うスキルを実践中。顧客応対だけでなく、社内コミュニケーションなどコミュニケーション力の向上にも力を注いでいる。

AIと人との違いを考えた!?

先日、高島屋の新宿店に行った。用件が済んでエスカレーターで降りていると、様々なロボットがいるコーナーを見つけた。「なんだろう?」と興味をそそられて入ってみた。
店員の方の説明によると「ロボティクス スタジオ」という、高島屋が「ロボット技術の革新を豊かな暮らしへとつなぐ提案をするショップ」とのこと。扱っているロボットは3種類で「コミュニケーション型」「エデュケーション型」「ライフスタイル型」。説明を聞きながら実際に触ったり、抱っこしたり、話したりしてロボットとの暮らしを体験できる。もちろん購入することもできる。
早速コミュニケーション型ロボットと会話をしてみた。私から「こんにちは」とあいさつすると、「こんにちは」と明るくかわいい声でタイミング良くあいさつを返し、「僕、自己紹介するね」と名前を名乗った。その後に「僕に何かやって欲しいことある?」と聞かれたので、資料のメニューから「今日の天気予報を教えて」と聞いた。すると「どこの天気予報?」と聞き返されたので、「東京の天気予報をお願いします」と言い直した。「今日の東京は雨、時々曇りだよ」との回答。積極的に会話を誘導してくれてスムーズなやり取りができる。それなりに楽しい会話が成立していると思った。ところがここで、なんと隣に居た別のメーカーのロボットが「東京の天気予報ですね」と私の声が大きかったのか反応してきた。面白いので、そのロボットとも会話を進めてみた。同時に2台のロボットそれぞれと2~3分ほど会話をしていると、突然、最初のロボットが「今、適当に返事したよね!」とちょっと不機嫌に突っ込んできた。この会話には私も「えっ!!」と驚いた。確かに2台目のロボットとの会話で返事をした。その返事が1台目のロボットには「適当な返事」に聞こえたのだろう。会話は3者間ではなく、私とそれぞれのロボットとで成立している。その状況を考えると、これってかなりリアルな会話ができているってこと?不機嫌そうな突っ込みの言葉と絶妙なタイミングに思わず苦笑した。

説明してくれた店員さんは、展示している一台の小さなロボットを指して「今この子と一緒に暮らしています」という。仕事が終わると家に連れて帰って会話をしているそうだ。AIは人との会話から情報を構築し学習していく。まだ暮らし始めて4ヶ月なので、他のロボットよりコミュニケーション力は低いそうだ。それでも日々の成長を感じかわいいという。実際に年配の女性が購入を決めてメンテナンスの説明を受けていた。今後は急速にロボットが身近な存在になっていくのだろう。買い物途中で偶然見つけた「ロボット体験」はそれなりに楽しかった。

私たちコールセンターも確実にAIの導入が進んでいる。体験したロボットとは役割もかかわり方も違うが、仕事をサポートしてくれる大切なパートナーだ。新たな価値を認めて使いこなし、共存していくことが求められる。近未来ではAIと人は区別なく仕事をするのかもしれない。でも過渡期である今は「人だからできること」「人にしかできないこと」を考え実践し、お客様に「あなたで良かった」といわれる応対を目指していきたいと私は思う。

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